12月午後授業店長にっき。「tenをふりかえって」

こんにちは。
ten長のヒラシマです。
12月20日から22日までオープンしていた、本と人とまちのつながりがゆるやかに始まる場所「ten」。
場づくりというものを実践的に学ぶためにはじまったお店の企画は一昨日で終わり、あの場所には初めて訪れたときとあまり変わらない姿があるだけです。
その姿をみると、「ホントに自分たちはお店をつくったのだろうか」とtenでのできごとをすこし信じられない気持ちになります。
今日のブログは、tenをふりかえってお店づくりについて思ったことを書きたいと思います。
私にとってお店づくりはもちろん、何かの「場」をつくることは初めての経験。
何から始めたらいいのか、何をすればいいのか全くわかんない状態。
「お店をつくりたい」
と一言にいっても、やらなければならないことはたくさんあるものですが、この企画が始まったときはそのやらなければならないことすらわからない状態でした。
でもお店の方向性が決まったり、何を置くのかを考えたり、お店のイベントが決まったりしていくにつれて、やらなければいけないことは見たくなくても見えてきました。
「このお店で何をしたいのか」「どんな目的でするのか」「それにはなにが必要か」などを問われるたびに、ぐるぐるぐるぐる考える日々。
頭がいたくなるまで考えて、時には机の下でいじけたりして、「もう無理!」って泣きそうになって、そこでやっとうまれたキーワードに喜ぶ。そしてまた考える。
そのくり返しで、tenはできてきたように思います。


コンセプトが決まったからといって、すぐにお店はできません。
ハコとなる場所を見つけなければならないし、お店というからにはお金の問題もつきものです。
場所を借りるための家賃、光熱費、備品…
こうした経費をちゃんと売り上げでまわしていくには、それなりの人がきて商品を買ってもらわなければいけません。
またお店のコンセプトにあった物の配置やオペレーションの仕方や広報の仕方などを意識する必要がありました。
お店の準備は自分が想像していたよりももっと細かい準備が必要で、軸がないとぶれてしまうということがよくわかりました。
お店がオープンするまでどたばたの日々でしたが、お店ができてからはもう止めることのできない時間をただ受け止める感じでした。
イベントがあったり、授業があったり、目の前では工事が行われていたり、雪が降ったり、雨が降ったり…もりもり盛りだくさんだったten。
3日間とは思えない濃さで、「場づくり」について教えてもらったような気がします。
8月、12月とまちの教室の授業スタッフだった私。ここ4ヶ月ほど「場所」について学んできました。
8月にはたくさんの場所を持つ人たちにお会いして、場所を持つにあたっての悩みや決意、率先してやっていることなどを聞いてきました。
そのなかで思ったのは、場所をもつっていいなと思う反面、めんどくさいな、ということでした。
人とのつながりと聞くと、いいことのように聞こえましたがその裏にある努力というのは果てしないものだったからです。
正直、そういう努力ってできればしたくないなと思っていました。だから場所は持ちたくない。
お店にきた人に観光情報を提供したり、イベントを企画したり、街との交流を考えたり。
自分にはできないと思いました。
でも実際お店をつくることになって、お店ができてから一日中ぼうっとお店番をしていると、なんとなくですがなぜ場所をもつ人たちがあんなことをするのか分かってきました。
tenにたくさん人が来てほしい。だから、イベントの企画をしました。最初に会った時よりも仲良くなれた人たち、イベントを通じて知り合いになれた人たちがたくさんいました。
私が一人でお店番をしているとき、一人の高校生がきました。
その子は授業まですこし時間があるので時間を過ごせることってないですか、と聞いてきました。
私はタブロイドの「てくてくマップ」を紹介しました。
一人の女性の方とは、これからの将来のことや自分の性格のこと、生い立ちなどを話しました。そして今度のイベントに行こう、と誘うことができました。
専務の息子ちゃんたちがきて、ペットボトルで遊びました。
お茶を飲みながらおばあちゃんとまちの教室のこと、萩原さんの活動について話しました。
自分の高校の後輩と出会うことができました。
tenで起きる一つ一つのできごと、一つ一つの会話が全部楽しくて、来てくれる人たちがすこしでもゆっくりできたり、楽しかったなって思ってくれること、「ありがとう」っていってくれること「ここ落ち着く。ずっとやればいいのに」と言われることが本当にうれしかったです。
そう思ったとき、ようやく8月授業で聞いてきたこととつながったような気がしました。
こういうことがしたくてあの人たちは場所を持って、持ち続けているかもしれないなと思いました。
来てくれた人に喜んでほしい、ゆっくりしていってほしい。
3日間という短い期間でしたが、場所をもつことをめんどくさいと思わなくなっていました(まだまだ何も知らないんですが)。むしろ楽しくて、ずっとここでお店番をしていたい、そんな気持ちになりました。
「いかに商品を売らないかを考えていた」
授業終了後、萩原さんがあるスタッフと話していたときに聞いた言葉です。
お店がある程度知られるようになると、お店の人と何も話さずに商品だけ買って帰ってしまう人が出てきてこれじゃいけないと思ったそうです。「商品はお客さんと話すツールにしかすぎない。お客さんと話さないと意味がない。」
その言葉を聞いて、本当にそうだと思いました。
今回、tenをつくるなかで思ったこと、感じたことは想像以上に学びの多いものでした。
お店や接客といわれるようなサービス業はまったく向いていない、したくもないと思っていた自分がまさかお店が好きになるなんて思ってもみませんでした。
「お店っておもしろいんだよ」といっていた、瀧内さんの言葉が浮かびました。
いまあの場所にtenはありませんが、3日間あの場所でお店ができたこと、すこしでも本と人、街とつながれたこと、そのつながりの始まる場所であれたことを本当にうれしく思います。
くじ引きできまった店長でしたが、この役割につけてとっても楽しかったです。
検品や精算、その他もろもろのことはまだありますが、とりあえず3日間ポップアップストtenは営業終了です。

来ていただいたみなさん、ありがとうございました。
そして、お店を建てるにあたって協力してくださったみなさま、ありがとうございました。
またお会いできるのを楽しみにしています!
12月午後授業店長にっき。「ついにten完成!」
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