しののい まちの教室

今回の授業のタイトル「考えるを考える」——
実はこの本のまえがきから取っています。

「考えるを考える」って、どういうことでしょうか？
最初に授業コーディネーターの福田さんからこの言葉を聞いただけでは、他のスタッフたちはあまりイメージがつかめませんでした。そこで授業づくりのメンバーが手にしたのがこの『1000%の建築』。谷尻さんの日頃の姿勢や考え方のエッセンスが詰まった本書を読み進めていくうちに、絡まった糸がスルスルとほぐれていくようでした。

「考えるを考える」。
それは以外とぼくらの身近に、普段の生活にもあふれていたのです。

例えば、子どもの頃によく釣りをしていたという谷尻さん。釣り糸を垂らして、アタリを待っている間に凧揚げをはじめます。どんどんと高く挙がるにつれ、次第に糸を巻くのが面倒になってきました。そこで谷尻少年はひらめきます。
「あ、『糸を巻く』ということなら釣り竿のリールが使える！」
…… たぶんこんな風には叫ばなかったと思いますが、谷尻さんはこのエピソードを現在の考え方の原体験のように述べています。

みなさんにもどこかに心当たりはあるかもしれませんね。
お菓子の空き箱が収納ボックスに、コップが小物入れに、ペンが髪留めに……。

子どもの発想力の豊かさには勝てないかもしれませんが、実は大人になってからもそういう「楽しくなる勘違い」や「モノの見方をズラす」ということができるはず。

谷尻さんは本書で「新しい建築家像をつくりたい」と言っています。
ただ建物を設計するだけではなく、常識をひっくり返して建築の可能性を広げていく。そういった姿勢は「建築」の範疇に留まらず、日常をもっと楽しくしてくれるものなのかもしれません。

本書と同じく、今回の授業は建築業界の難しい専門的な話はありません。
みなさんと一緒に谷尻さんの活動や姿勢を参考にしながら、仕事にも普段の暮らしにも活かせる考え方を考えます。

事前に本書を読んできていただけると、授業がもっと楽しめること間違いなしです！
みなさんもぜひお手に取ってみてください。

(しののい まちの教室 事務局：小林)

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しののい まちの教室
9月午前授業「考えるを考える」

講師：谷尻 誠 (建築家)
授業コーディネーター：福田真享

開催日時：2013年9月21日（土）10:00〜
（開場9:30、授業は2時間程度を予定しています）
募集人数：35名（要予約）
参加費：1000円
会場：「まちの社交場 暮らしの道具 Orche」

※ 授業内容は予告なく変更される場合がございます。

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《講師プロフィール》
谷尻 誠（建築家）
Suppose design office 代表。1974年 広島生まれ。2000年 建築設計事務所Suppose design office 設立。住宅、商業空間、会場構成、ランドスケープ、プロダクト、アートのインスタレーションなど、仕事の範囲は多岐にわたる。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設など国内外合わせ現在多数のプロジェクトが進行中。現在、穴吹デザイン専門学校 特任講師 、広島女学院大学客員教授。

《今回の教室》：「まちの社交場 暮らしの道具 Orche」
住所：長野市篠ノ井布施高田845-1
最寄り駅：JR「篠ノ井駅」東口より　駅前通りを東へ徒歩7分
※ 来場者分の専用駐車場がございません。公共交通機関にてお越しいただくか「アスペース しののい」（http://www.grn.janis.or.jp/~asupe-su/ ）など、近隣コインパーキングをご利用ください。