12月午後授業「店長にっき。3日間限定の場所をつくります!」

こんにちは。
まちの教室スタッフの平嶋です。
まちの教室12月午後授業は「プロジェクトから場所を考える」。
まちの教室では8月に「その場所は本当に必要?」、10月には「ビジネスから場所を考える」が開催され、授業に関わってきたスタッフは「場とは何か」、「場を作るために必要なものとは」、「そもそも場は必要か」など、講師の方や授業づくりのなかで出会った人々から学んできました。

じゃあ、今度は自分が「場」をつくってみよう。
場所をつくって、その土地に「場」ができることの意味を実践から考えてみよう。
そして、「場」のもつ力を学んでみたい。

そう考えた12月午後授業スタッフは、3日間だけ篠ノ井につくるポップアップストアの構想を練り始めたのでした。

この日記は、店長に任命されてしまったこの私、ヒラシマが、お店ができるまで、そしてお店ができてから、の動きをつづったものです。

それでは、時はさかのぼって、11月25日のミーティングの様子から。

11月25日(月)19:00
「企画内容なんだけどさ」
と、担当コーディネーターの瀧内さんが切りだす。
今回の授業の時間の割りふりや、講師である萩原修さんの話、授業づくりのために行く東京のはなしが持ち上がる。今回のミーティングは事務局の小口真奈実(以下まな)、スタッフの福田真享さん(以下福ちゃん)、そしてわたしの12月午後授業スタッフが勢ぞろい。

「それでさ、ちょっと今回、“場”をつくりたいと思って」
と、瀧内さん。
「ブックサロンっていうか、修さんの本とか、修さんに関連するお店からの出張店舗をお願いするとか、スタッフの書籍を持ちよってそれぞれの本にポップつけたりとかしたいと思ってて。修さんの授業は、その「場」で行われるトークショーみたいなのがおもしろいかなって」

瀧内さんは、無茶なことがすきだ。そして、人をのせるのがうまい。初めは「そんな無茶な!」と思っていたわたしも、この後まんまと「おもしろそう!」と思ってしまうことになる。
しばらく話し合ってから、「場」となるお店をつくりだすこと、そのお店は3日間だけだということ、お店の内容はブックサロンと萩原修さんにまつわる展示か販売、そして今回の授業である「プロジェクトから場所を考える」を開催することになった。
それからは、これから生まれる「場」についての案でもちきり。

まずはお店の名前を決めなきゃ。ロゴはどうする?お店の中はどんなレイアウトにする?費用は?できれば家賃や光熱費もお店の売り上げから出したいな。どうやったら人が来てくれるだろう。

「…店長きめなきゃ」
ぼそっと瀧内さんがいう。ハッとさせられる私たち。
すでに、ロゴやフライヤーのデザインは絵が得意なまなに決まっていた。そして、お店のレイアウトは建築を学ぶ福ちゃんに任されることに。
「平嶋やるか」
猛烈な抵抗を示すも、あっけなく一番平等なくじ引きで店長の「て」を引いてしまったわたし。このまま何の担当もないままサブとしての仕事を徹するはずだったわたしが、晴れて店長として任命されることになったのだ。そして、今日のミーティングで一番の難関だったお店の名前を28日までに考えてこいという指令を受けて、今日のミーティングは終了。お店をつくるには弾丸するほど弾丸な計画が、動き始めた。わくわくと不安を抱えて、わたしは瀧内さんの事務所をでる。
明後日には、肝心要の貸店舗を篠ノ井へ見つけにいく。めぼしい店舗は、まなが何個か見つけてくれていた。時間は夜中の1時半。明後日は一限から授業がある。

11月27日 14:00

今日はお店を実現させるための、ハコとなる貸店舗を篠ノ井へ探しに行く日。
昨日と同じメンバーが集まって、篠ノ井の商店街を歩く。

用心深く篠ノ井の商店街を散策すると、古いけれどかっこいい建物がちらほらあることに気づく。
Orcheの近くにある自転車屋さんなんて、いますぐ住みたいくらいかっこいい。
木とガラス張りの窓がいい感じに雰囲気をかもしだしている。
でもここでお店をするわけにはいかないので、また歩く。

駅から近いところ、35人が入ることのできる広さがあるところ、ちょっとした展示ができそうなところ…と探して、ある店舗にたどり着く。

「旧マルショウ衣料店」

篠ノ井駅をおりて、商店街をまっすぐ歩くと見えてくる、すぐじ書店のおとなりあるお店。
12月午後授業「店長にっき。3日間限定の場所をつくります!」

ガラス張りの窓、白い柱、階段、照明もなかなかいい感じ。
今日見まわった中では、一番ぴんとくる店舗。
レイアウト担当の福ちゃんは、さっそく中の様子を撮影している。
もっと苦労しそうだった店舗探しだったけれど、よいハコに私たちはであうことができた。

ミーティングのために入った、カフェ ヴィラではいよいよ本格的に必要となったお店の名前について話しあう。なんといっても、さっき見た店舗のイメージとのすり合わせが必要だった。
「さっきのお店のかんじだと、“おはな”って感じなんよね」
と、わたし。先日、「箱庭 HAKONIWA」という名前を思いついたのだけれど、すでにその名前が他のお店で使われていたことがわかり、焦っていた。わたしに残された猶予はあと1日もなかった。
「ten、いいと思うんだけど」
と、瀧内さん。今までの授業も10回だし、スタッフから書籍を持ってきてもらうにしても10冊ってちょうどいいし、何より8月授業の準備でお会いした萩原さんが場所に「点」を打つ人でありたいと言っていたし…。と、“ten”にまつわる話がでてくるでてくる。
それならば、と始まりの一点という意味で、「ichi」はどうかとわたし。
「ichiかわいいね」
と、まな。まなはさっそく自分のノートにichiと描く。
「確かに、まだ場所をつくるには半人前だし、素人ですっていう意味も込めて、ichiっていうのはわかりやすいね。」
と瀧内さんもよい反応。わたしも「ichi」のかわいさに魅かれていた。このままichiに決まるかなーと思った。だけど、隣に渋い顔をした人が一名。そう、福ちゃんである。
「えー、それだったら、まだtenの方がわかりやすいかなって」
どうやらichiにはぴんとは来ていないらしい。福ちゃんをぴんとさせるのは、意外と難しい。
「じゃあ、どんな名前がいい?」
と聞くと、「うーん」となる。代案はないらしい。

そこからしばらく紆余曲折してから、結局お店の名前は「ten」になった。
あとは我らがしののいまちの教室の事務局長、久保田盛雄(通称、専務)に貸店舗の許可を取るだけだ。
今日の一日だけで、お店となる大事なハコが決まり、お店の名前も決まった。一気に、愛情がわいてくる。これから生まれる、私たちのお店。
次のミーティングは、萩原修さんの活動の拠点を見て確かめるために行く東京行の車で開催されることになった。やることは山積み。先はまだみえない。カフェで流れていたクリスマスソングを口ずさんで、家に帰った。


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2013年12月01日 Posted byしののい まちの教室 at 17:00 │授業について